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24日に当山徒弟二名が理趣経加行を開白致しました。明算大徳の中院流のみで履修されます。醐山末でありますので本来義務ではありません。但し四度加行の法流とは別に阿闍梨の意樂として、理趣経加行や護身法加行、悉曇加行を課しています。

修行に近道はありません。諸事丁寧に修学してゆく善行の積み重ねにより仏果証得があるのです。念誦も徒らに嘯くようなものでは一洛叉しようが却って悪業となりましょう。秘印言や秘義を知ろうが念誦を疎かにすれば成就は無いのです。

理趣経は密教の蘊奥たる大欲(菩提心)を明らかにされている有難い教え。高祖大師の御前で一心に宝号を唱えて密教修学の許しを請いて、また密教に値遇出来た感謝を捧げるもの。入門後直ちに意味も分からず誦経することが多いですが前行履修までは秘密経典は基本触れさせません。普通真言ひとつさえ授受の無いものは口にさせません。三昧耶戒は徹底して持戒して頂くよう申し伝えております。

拝むことは技術ではありません。菩提心が主体であり、それは三宝を敬う心から生じる。安易に事作法を伝えることが行者のためには絶対にならない。授法の阿闍梨を選ばずただ秘法を弄ぶ行者になる勿れ。

一生懸命に礼拝と念誦に取組む姿を視ていますと、曾て自身が修行した頃を思い出して胸が熱くなります。僧侶という生き方は大願を心して一身を道のために賭する覚悟を貫くこと。本気で何事も取組めば見えてくる景色があるように、勇猛精進する事で至る悉地も必ずあります。法を燈明として示される道を着実に歩み進めてゆけるように。正法を身に修めて頂きたいです。

南無三宝 南無釈迦牟尼世尊

南無両部海会 南無八大祖師

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