冬季中途活動報告

○末寺認可に向けた書類作成

今月二十六日の開山三周年を目前に控え、徒弟後続の養成と円滑な寺院活動を目的として、私が所属する総本山醍醐寺に対して末寺認可の申請準備を始めております。信徒並びにご縁を頂いた皆さまにご署名のご協力をお願いしております。宗教活動(儀礼の執行や一般教化)の実態があるものかの調査の意味合いがあり提出義務があります。当山は檀家制度を設けていない信者寺ですので、特別にご負担が発生するものでは御座いません。是非、御一助賜りたく重ねてお願い申し上げます。

○十一月二十九日 太元大法出仕

真言宗では改元御即位に際して、その翌年に厳修される「太元御修法」と呼称される秘法があります。

「太元御修法」は「後七日御修法」と同じ正月八日から十四日までの七日間、宮中で国家安穏や疫病退散、除兵火難などを祈り厳修されてきました。

この秘法の請来は常暁律師によるものです。弘法大師の弟子で入唐八家の一人でもあります。仁明帝の御宇、承和七年(八四〇)勅を奉じて宮中常寧殿において日本で初めて修法されます。さらに仁寿元年(八五一)には国家大法である「後七日御修法」に准じる宣下がなされます。以後、国典行事として天皇御即位の時は必ず宮中で勤修されました。明治四年(一八七一)九月に勅会廃止令により御修法として祈り続けられた太元帥御修法もその長い歴史を歩み止めました。

その後、大正天皇御即位の大正四年(一九一五)、昭和天皇御即位の昭和三年(一九二八)と真言宗の大切な法として厳修されました。そして、今年高野山金堂にて十一月二十三日より開白してより同月二十九日を結願に祈られました。この殊勝なる法会に参座する機会を得まして、玉体安穏と国内の息災平穏を至心に祈念しました。

高野山塔頭の西南院では開基真然大徳が弘法大師御真筆の太元明王を奉祀した故実から現在も御尊前に於て修法がなされておられます。以前の師僧御住房であり、数年ぶりに拝謁して御挨拶申し上げました。上綱さま院家さま共に堂内で祈り合せが出来たことに感慨深く、また有難い時間でした。法嗣の関係で醍醐派にご縁を頂きましたが今でも温かくお迎えくださり感謝で一杯です。

現在の師僧や諸大徳の方々に少しづつでもご恩に報いれるよう精進して行きたいと思います。翌年、本山の醍醐寺に於ても太元大法が厳修されます。この太元法は理性院流を正統としております。法流本山であります醍醐寺で修されますのは真に法慶至極です。

また今回の太元大法で使用した加持棒と秋篠寺の井華水(閼伽水)を金剛峯寺より拝戴しました。高野山と醍醐寺の夫々で法縁を頂いている太元法を新年祈祷として当山でも修法いたします。

広次第を用いて丁寧に修法したいと思います。

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